第26回堺市所蔵美術作品展 竹工芸のかたち―伝統から革新へ―
〔説明〕
これはA3縦 二つ折り 両面カラーのリーフレットです。
〔説明終わり〕
発行 さかい利晶の杜 2024年
テキスト化凡例
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テキスト化凡例終わり
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第26回堺市所蔵美術作品展 竹工芸のかたち―伝統から革新へ―
〔日時〕令和7年1月25日(土)~3月2日(日)
〔場所〕さかい利晶の杜 企画展示室(堺市堺区宿院町西2丁1-1)
[開館時間]午前9時から午後6時まで(入館は午後5時30分まで) ※最終日は、午後3時まで。
[休館日]2月18日(火)
[観覧料]大人(大学生含む)300円、高校生200円、中学生以下無料
※「千利休茶の湯館」「与謝野晶子記念館」の観覧券でご覧いただけます。
※障害のある方と介護者、堺市内在住の65歳以上の方は無料です。
(受付時に障害者手帳、住所・年齢のわかるものをご提示ください。)
[主催]堺市 [共催]さかい利晶の杜 [後援]大阪府、堺市教育委員会
さかい利晶の杜
Sakai Plaza of Rikyu and Akiko
〔堺市の市章があります。〕
【1ページ写真】
四代 田辺竹雲斎《たなべちくうんさい》/彦十蒔絵《ひこじゅうまきえ》 若宮隆志《わかみやたかし》「登龍門《とうりゅうもん》」2016年 夢工房蔵
Photo by:Tadayuki Minamoto
〔説明〕
竹で編んだ縦長の花入です。下から上に上がるにつれ口径が広くなり持ち手がついています。波しぶきを立てて鯉が跳ね上がる様が描かれています。
〔説明終わり〕
【写真終わり】
〔EXPO2025のイラストロゴとMIRAI SAKAI EXPOのイラストロゴがページの左下にあります〕
2ページ・3ページ見開き
「かたち」からわかる竹工芸の美しさ
竹工芸は、丈夫でしなやかな竹の特質を活かし、竹の種類や編組《へんそ》技法を変えて、様々な用途にあった「かたち」が創られてきました。
茶道具としては、わび茶を大成した千利休(1522~91)が、花入に従来の精緻な唐物籃《からものかご》ではなく、漁師が使う目の粗い和物籃《わものかご》(魚籠《びく》)を用いたことがはじまりとされます。江戸末期には中国から伝来した煎茶道の流行に より、唐物籃を写した竹工芸がつくられ、竹工芸をつくる専門の職人(籠師)が活躍していました。明治期には、文人趣味の憧憬から竹工芸を芸術作品として捉える傾向が高まり、籠師の中には自由自在に竹工芸を創作する職人もいました。堺では、前田家と田辺家の二つの大家が竹工芸家として活躍していました。
本展は、竹工芸の魅力である「かたち(造形)」に焦点を当て、竹工芸の原点である茶道具や唐物籃、さらに芸術作品としての竹工芸を紹介します。また、堺の竹工芸家の前田家と田辺家の歴代の作品をとおして、道具から美術工芸へと発展した竹工芸の流れを振り返ります。そして、世界的に活躍する四代田辺竹雲斎やその一門による作品をご覧いただくことで、継承のなかにうまれる新しい竹工芸のかたちに迫ります。
四代 田辺竹雲斎 竹工芸家/Artist
本作品は、「art KYOTO 2020」(京都国立博物館 明治古都館《めいじことかん》)にて制作されたインスタレーションです(撮影:渞 忠之《みなもとただゆき》)。また、2023年G7大阪・堺貿易大臣会合の歓迎行事会場(ホテルアゴーラリージェンシー 大阪堺)のインスタレーションにも同様の竹材が使用されました。本展では、それらの竹材を用い、新たに当館の空間に合わせて制作されます。
【2・3ページ写真】
〔説明〕
四代 田辺竹雲斎によるインスタレーション作品です。太い縄状に編まれた竹が曲がったり絡まったりしています。
〔説明終わり〕
【写真終わり】
かたち1
喫茶文化と「用《よう》の美」[作品②・③]
喫茶文化(茶の湯・煎茶道)の道具としての「かたち」をとおして、「用の美」(実用性の中にある美しさ)を紹介します。また、煎茶道が流行した江戸時代の資料として堺環濠都市遺跡の出土遺物から茶器類を展示します。
【写真3枚】
〔説明)
1 「涼炉《りょうろ》と伊万里染付煎茶碗《いまりそめつきせんちゃわん》」 江戸 堺市文化財課藏
中央に涼炉があり、その左右に2個の煎茶碗が置かれています。
2 作品② 二代 前田竹房斎《にだい まえだちくぼうさい》「方円形炭斗」《ほうえんがたすみとり》昭和~平成 堺市蔵
底が四角くて口が丸い、浅い入れ物です。
3 作品③ 二代 田辺竹雲斎《にだい たなべちくうんさい》「古竹宗全藍」《こだけ そうぜんかご》昭和 夢工房藏
お椀をさかさまにしたような形で上部に穴が開いており、細長い2本の持ち手がついています。
〔説明終わり〕
【写真終わり】
かたち 2
文人趣味と「造形の美」[作品①・④]
文人趣味(中国の知識人たちが好んで嗜んだ、香や茶、詩書画《ししょが》などの趣味)の流行から伝わった唐物籃《からものかご》を写した竹工芸、またその文人趣味からうまれた和物籃《わものかご》。それぞれの「かたち」をとおして、「造形の美」をご覧いただきます。
【写真2枚】
〔説明〕
1 作品① 初代 前田竹房斎《しょだい まえだちくぼうさい》「芭蕉葉形盛籃」《ばしょうはがたもりかご》 明治中期~昭和初期 堺市蔵
こげ茶色で細長く平たい葉の形をした盛り籠です。葉脈のような筋が入っています。
2 作品④ 初代 田辺竹雲斎《しょだい たなべちくうんさい》「唐物写四神花籃」《からものうつししじんはなかご》1918~30年 夢工房藏
縦長の立方体で途中くびれています。4面に四神の絵が描かれています。
〔説明終わり〕
【写真終わり】
かたち 3
堺の竹工芸[作品⑤・⑥]
堺の竹工芸家である前田竹房斎(前田家)と田辺竹雲斎(田辺家)。2家の竹工芸家による歴代の作品をとおして、竹工芸の伝統と革新をご覧いただくことで、堺に伝わる「かたち」の変化を紹介します。
【写真2枚】
〔説明〕
1 作品⑤ 三代 田辺竹雲斎《さんだい たなべちくうんさい》(砦)《とりで》1971年 個人蔵
直方体で網目が横縞のように見えます。
2 作品⑥ 二代 前田竹房斎《にだい まえだちくぼうさい》(花籃 和)《はなかご わ》1970年 堺市蔵
胴のあたりが膨らんだ球形の籠です。
〔説明終わり〕
【写真終わり】
かたち 4
現在、そして未来の竹工芸[作品⑦・⑧]
現在、堺の地で伝統を継承し、革新を続ける四代田辺竹雲斎。その創作に対する精神は、次の世代(未来)にも繋がっています。四代竹雲斎の作品と3人の門下生による作品をとおして新しい竹工芸の「かたち」をご覧ください。
【写真2枚】
〔説明〕
1 作品⑦ 四代 田辺竹雲斎《よんだい たなべちくうんさい》(古矢竹舟形花籃 東風)《こやだけふながたはなかご とうふう》2022年 個人蔵
両端が上がっていて細長い船のような形の花籠です。
2 作品⑧ 上杉朋《うえすぎとも》(襲花籃 裏山吹)《かさねはなかご うらやまぶき》2019年 あびこ山大聖観音寺《あびこさんだいしょうかんのんじ》藏
上部が少し太くなった円柱形で口が狭まっている花籠です。
〔説明終わり〕
【写真終わり】
〔画面上部に淡い色で「魚籠《びく》」「籠師《かごし》」「編組技法《へんそぎほう》」、画面下部にアルファベットでBAMBOOの文字が、印刷されています。〕
4ページ
関連イベント〔3つあります。〕
1 作品解説(申込不要) ※直接会場へお越しください。
担当学芸員から本展の見どころについて説明します。
[日時]令和7年1月25日(土)14:00~14:30
[会場]さかい利晶の杜 2階企画展示室
[参加]無料(要観覧券)
2 花かごワークショップ(要申込・先着順/申込方法は下記をご覧ください)
はじめての方にも体験可能な、竹で編んだ花かごを制作します。
[日時]令和7年2月2日(日) 14:00~16:00
[講師]四代 田辺竹雲斎氏、田辺竹雲斎工房の門下生の方々
[会場]さかい利晶の杜 2階講座室
[定員]10名(小学校高学年以上)
[参加]1,000円(別途、要観覧券)
3 講演会&実演「伝統をつなぐ―過去・現在・未来へ―」
(要申込・先着順/申込方法は下記をご覧ください)
四代 田辺竹雲斎氏が大切にしている次世代への伝承を中心に、堺で代々続いてきた竹工芸家の田辺家についてご息女・ご子息と門下生の方々による実演を交えながらご講演いただきます。
[日時]令和7年2月23日(日)14:00~15:30
[登壇者]四代 田辺竹雲斎氏、田辺讃良《ささら》氏、田辺香來《かぐや》氏、田辺眞人《まひと》氏
[会場]さかい利晶の杜 1階茶室広間
[定員]40名
[参加]無料(要観覧券)
申込方法
Webまたは電話
[さかい利晶の杜:072-260-4386]でお申し込みください。
右記のQRコードから、お申し込みいただけます。
申込開始日:12/2(月)から(申込先着順)
〔予約サイトの二次元コードがあります〕
四代 田辺竹雲斎《たなべちくうんさい》 竹工芸家/Artist《アーティスト》
1973年大阪・堺で生まれる。
東京藝術大学美術学部彫刻科卒業後、父である三代竹雲斎に師事。2017年四代田辺竹雲斎を襲名。2001年米国フィラデルフィア美術館クラフトショーに招待出品し、オブジェが買い上げされる。その後ボストン美術館、大英博物館、フランス国立ギメ東洋美術館、メトロポリタン美術館等で 展覧会を開催。用途に即した花籃など代々の技術を受け継いだ竹による作品の制作を続けながら、自然と人の融合をコンセプトとし、「過去・ 現在・未来」や「生・死」など対比するテーマをメインに、インスタレーションや現代的なオブジェを制作。特に世界各地で展開する空間に広がるインスタレーションは竹工芸の新しい可能性を見出している。2022年芸術選奨文部科学大臣新人賞、大阪文化賞を受賞。
【写真】
Photo by: Tadayuki Minamoto《フォト バイ タダユキ ミナモト》
〔説明〕
竹林の中に四代田辺竹雲斎氏が黒い服を着て立っています。
〔説明終わり〕
【写真終わり】
次回企画展
第27回堺市所蔵美術作品展
「堺の竹工芸家たち―前田竹房斎《まえだちくぼうさい》と田辺竹雲斎―(仮称)」
令和7年9月13日(土)~11月3日(月・祝) [予定]
会場:堺市博物館
堺で活躍した竹工芸家の前田竹房斎と田辺竹雲斎に焦点を当て、歴代それぞれの作家たちの作品を展示します。伝統を受け継ぐだけでなく、伝統を踏襲するなかで新たな芸術がうまれ、竹工芸の歴史が脈々と続いていることを紹介します。伝統から革新へと変化し続ける竹工芸の世界をお楽しみください。
展覧会・次回企画展についてのお問い合わせ先
堺市文化課(072-228-7143)
さかい利晶の杜
Sakai Plaza of Rikyu and Akiko《サカイ プラザ オブ リキュウ アンド アキコ》
〔さかい利晶の杜の文字の前に正方形のロゴマークがあります。四角の中にアルファベット大文字でSAKAI RISHO NO MORIと書いてあります。〕
〒590-0958 堺市堺区宿院町西2丁1-1
TEL:072-260-4386 FAX:072-260-4725
阪堺線「宿院駅」下車徒歩1分、南海高野線「堺東駅」下車バスで約6分、 南海本線「堺駅」下車徒歩10分/バス3~5分、南海バス「宿院」下車徒歩1分
〔二次元コードがあります〕
【地図】
〔説明〕
阪堺線の宿院を下車後、西南の方向にさかい利晶の杜があります。天王寺方面からの場合は下車後進行方向を向いて右手の方向となります。南海本線堺駅からは、南東の方向になります。
〔説明終わり〕
【地図終わり】
以上で「第26回堺市所蔵美術作品展 竹工芸のかたち―伝統から革新へ―
」を終わります。
製作 堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター
製作協力 テキスト化堺
製作完了 2025年1月