わびさび2号

館長新年のご挨拶

点字図書館館長岩井和彦
 東日本大震災を〈忘れないこと〉を肝に銘じつつ、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。今年は、堺においてもしっかりと防災・減災の議論を深めてまいることを念頭の決意としたいと存じます。
 昨年4月に堺市立健康福祉プラザ視覚・聴覚障害者センターは、「一人一人がいきいきと輝いている暮らしを実現するために」・「読むことは生きること」を目指して、様々な活動がスタートしました。10月には、当館と国立がん研究センター間で「がん情報の点訳・音訳」の共同事業製作を協定して医療と福祉の連携に一石を投じることが出来ました。12月のプラザフェスティバルでは、各センターと協力してバリアフリー映画会や点字・手話体験などのイベントを通じて視覚・聴覚障害者の啓発に当たりました。
 2年目を迎える今年は、信頼される施設を目指して次の重点目標を掲げてがんばってまいりますので引き続きのご支援をよろしくお願い申しあげます。

1、視覚障害者交流サロンでは、多様なプログラムを実施します。

 昨年度後期から実施しているバリアフリー映画上映会・福祉機器展示会に加えて読書会や意見交換会等を定期的に開催したいと考えております。皆様方からの積極的なご参加をお待ちしております。なお、当サロンの運営はボランティアの皆様方の協力を得ながら実施することで、利用者とボランティア・当館職員の交流が深まるものと期待しております。

2、ボランティア活動をさらに活性化していただくために、点字図書館はボランティア養成プログラムを基礎コース・応用コース・専門コースに整理し、多様な講座を準備します。

 従来からの蔵書製作の拡充に加えて、音訳ボランティアの皆様には、漫画や各種音声解説、雑誌製作にも取り組んでいただきます。また、テキストデイジーのような新しい媒体にも挑戦していただきます。点訳ボランティアの皆様には、作図ソフト「エーデル」や立体コピーを駆使した点字付き絵本や雑誌製作に取り組んでいただきます。また、データ変換技術を取り入れた点字資料製作に取り組むことで資料製作期間の短縮を図っていただきます。

新年のご挨拶

原田 敦史 館長代理

 新年あけましておめでとうございます。
 4月からスタートしましたが気がつけばもう新しい年になっています。図書館が新しく取り組んでいる相談、訓練は順調に広がってきており、パソコン体験、白杖体験、機器の使い方説明等を随時実施しております。今年も力をいれて実施していきますので、利用者の方で新年を機に新たにパソコンや点字、一人歩き等々に挑戦をしてみたいという方は是非ご連絡ください。厳しく?楽しく?訓練いたします。それでは今年もよろしくお願いいたします。

高橋 三智世 音訳担当

 明けまして、おめでとうございます。今年も、よろしくお願いいたします。
 昨年は、新しく漫画本・映画の音声ガイド製作にチャレンジしました。新しく月刊雑誌『母の友』 季刊誌『フィール・ラブ』も始めた一年でした。さて、私は河内長野の三日市町に住んでいるのですが、正月は近くの観心寺が、初詣の人でいっぱいになります。一日には、お神酒も振る舞われます。このお寺は、梅の花、桜の花が美しい所です。
 今年は、堺の観光案内を初め、より楽しんでいただける図書の製作を目標に音訳ボランティアさんと二人三脚でやっていきたいと思います。希望がございましたら、どうぞお声をおかけください。

荒木 穂 貸出担当

 新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 私は日本が彩る四季折々の表情を大変楽しんでいます。しかし、昨年は貸出業務に慣れることに精一杯で四季を感じることもなく駆け足で過ぎ去った一年でした。今年は貸出業務に慣れることで終わらず、積極的にサービスを提供できるよう、あらき・やるき・げんきで日々精進して参ります。

王田 桂子 点訳担当

 新年あけましておめでとうございます。
 昨年は健康福祉プラザへの移転、視覚・聴覚障害者センターとして新体制でのスタートと、何かと慌ただしい1年になりました。その間、ボランティアの皆様には色々な所でご協力を頂き、本当に有難うございました。本年も何かとお願いする事が多くなると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。利用者の皆様には、新刊案内の大幅な遅れ等でご迷惑をおかけしましたが、移転後には各種機器展やバリアフリー映画体験会など、皆様に楽しんで頂ける企画も増やしてまいりました。今後も皆様に楽しんで頂けるようなイベント等、様々な企画を考えております。
 点字図書館の職員は、「わび・さび」というよりも、「ボケ・ツッコミ」が似合う面々です。笑いの絶えないチームワークで、皆様にとって「利用しやすく楽しい」図書館となりますように。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

平井 直子 校正担当

 新年、明けましておめでとうございます。
 昨年は当館の引っ越しでみなさんにはいろいろご迷惑をおかけしました。今年1年、人との会話が苦手な私ですが、一人一人のコミュニケーションを大切にしていけたらと思っています。私自身もまだまだ慣れない毎日ですが、今年もみなさんに楽しい、いろいろな本を読んでいただけるよう、しっかり校正に努めていきます。また、読みにくい点字の書き方とかあればこちらの勉強にもなりますので、遠慮なくお聞かせくだされば幸いです。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

堺市音訳ボランティア『いずみの会』 代表

 あけまして おめでとうございます。
 皆様にはお健やかに初春をお迎えのことと存じます
 堺市音訳ボランティア『いずみの会』は、視覚障がい者の皆様の「目の代わり」として活動してまいりました。また点字図書館は、昨年4月新しい地に移転して以来、情報提供施設としての役割を担う為、多くの新しい事業が始まりました。それに伴い『いずみの会』も音訳図書の製作だけでなく、音声ガイド付き映画、まんが、テキストデイジーなどの製作に携わるようになりました。今年度も質の良い音訳製作を目指し、会員一同精進いたします。
 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

堺市点訳ボランティア『ひかりの会』 代表

 新年あけましておめでとうございます。
 昨年は、会の活動として医療点訳チームの立ち上げ、自動点訳の勉強などを始め、新しい試みの講習会やフェスティバルへの参加などの行事が次々と行われ、あっという間に過ぎたように感じています。
 今年もさまざまな点訳、行事に積極的に取り組み、また、いずみの会さんとの共同作業など、他の団体との交流もよりいっそう深めていきたいと思います。
 今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

利用者の皆様へ

○機器貸出について

 パソコンの寄贈を受けましたので、新たにパソコンの貸し出しを実施いたします。ご希望の方は申請が必要となりますのでお問い合わせください。なお、パソコンについては視聴覚センターで訓練を受講中の方で、ある程度操作が可能な方に限定をさせていただきますのでご了承ください。貸し出しは図書同様3週間を予定しています。
 また、白杖も訓練用に様々な石突きのものを購入いたしました。体験訓練等で利用していき、必要な方にはこちらも貸し出しをいたします。詳しくは、担当の原田までご連絡ください。

以下に再度、パソコンを含んだ貸出機器を記載します。
パソコン
デイジー再生機器
点字器
ブレイルメモ
携帯用拡大読書器
点字タイプライター
白杖

○交流サロンのご案内

 1月より交流サロンという名称で、利用者の皆様、ボランティア、職員が交流をできるように月に一度サロンを開催いたします。視覚障害の方は図書館利用の有無と関係なくどなたでもご参加いただけます。是非お誘いあわせの上ご利用ください。原則予約制ではありませんが、事前に人数を可能な限り把握したいため、参加が決まった方は職員の「原田」までご連絡ください。
1月から3月の日時・内容を紹介いたします。是非ご参加ください。

1月26日 バリアフリー映画体験会 男はつらいよ 第1作 13時~
場所 プラザ2階 研修室
「男はつらいよ」の記念すべき第一作です。
あらすじ・・・寅さんが20年ぶりに、故郷柴又に帰ってくる。歓迎ムードも束の間、寅は妹さくらの縁談をぶちこわし、また旅の人となる。奈良で旅行中の御前様とその娘・坪内冬子(光本幸子)と再会。幼なじみゆえ、気さくな冬子に恋をした寅さんは、帰郷してからも冬子のもとへ日参する。一方、裏の印刷工場につとめる諏訪博は、さくらへ想いを寄せていた…

2月23日 バリアフリー映画体験会 はやぶさ 遥かなる帰還
場所 プラザ4階 プレイルーム
2012年に話題となったはやぶさが早速登場です。
あらすじ・・・2003年5月9日、鹿児島内之浦宇宙空間観測所。小惑星探査機「はやぶさ」を搭載したM-Vロケットが発射された。緊張の面持ちで見守っていたプロジェクトマネージャーの山口教授(渡辺謙)は、さまざまな思いを巡らせながら、これからスタートする壮大なプロジェクトに対し、決意を新たにしていた。そして2005年、小惑星「イトカワ」の姿をとらえたはやぶさはタッチ・ダウンに成功するも、化学エンジンの不良、姿勢制御が不能に陥るなどのトラブルに見舞われてしまう。

3月23日 防災について 13時~
場所 プラザ4階 研修室BC
東日本大震災から2年。現地責任者として活動をしてきた職員の原田より、その時の状況、視覚障害者の声を紹介し、これからどんな備えが必要なのかを現地での経験をもとに参加者の皆さんとともに考えます。

〇サピエ貸出トップ10

 サピエでよく借りられている図書を紹介いたします。今回は2012年1月から12月にかけての年間ベスト10となります。
 どんな本が楽しいか、どんな本を借りたらいいか迷っている、わからないという方、またまだ読んでないものがあったという方は、ぜひ参考にしてみてください。

2012年 デイジー図書年間ベスト10
  1. 三匹のおっさん ふたたび 有川 浩
  2. 舟を編む 三浦 しをん
  3. 虚像の道化師(ガリレオ7) 東野 圭吾
  4. 秋思ノ人(居眠り磐音江戸双紙39) 佐伯 泰英
  5. ナミヤ雑貨店の奇蹟 東野 圭吾
  6. スーパー雷鳥殺人事件 西村 京太郎
  7. 恩讐 女刑事・工藤冴子 長編警察小説 西川 司
  8. 華の下にて 内田 康夫
  9. 首の後ろを押すだけ!神経の流れをよくして万病を治す!!1分でOK高血圧、糖尿病、がん、腰痛etc. 松久 正監修
  10. いま、いちばん使える雑談ネタ300連発!!!博学こだわり倶楽部編

2012年 点字図書年間ベスト10
  1. 60分でサクサク使えるパソコン「超」裏技ノート コスモピアパソコンスクール
  2. よくわかるパソコン教室1 すぐ効くウィンドウズ7-IE9、ウィンドウズライブ最新版に対応-(日経BPパソコンベストムック) 日経PCビギナーズ編
  3. 荷重関節をゆるめれば「腰・首・ひざ」の痛みの9割は自分で治せる! さかい式関節包内矯正エクササイズ 酒井 慎太郎
  4. 舟を編む 三浦 しをん
  5. 点訳のてびき第3版指導者ハンドブック 「第3章 分かち書き」編 全国視覚障害者情報提供施設協会編
  6. 誓天の剣(真・八州廻り浪人奉行) 稲葉 稔
  7. 病院の検査数値早わかりハンドブック 最新決定版(主婦の友ポケットBOOKS) 小橋隆一郎
  8. 全脊椎の作用と性質 黒川 瀞雄
  9. ひと目でわかるWindows7操作&設定テクニック厳選200! 橋本 和則,野間 俊行
  10. 娘同心七変化 辻斬り牡丹 鳴海 丈

職員コラム 平井直子

〈車の運転を体験してきました〉
 突然ですが、目の見えない私たちに、車の運転ができると聴けば、みなさんはどう思われますか?
 私は周りから「見えていたら、したいことはなに?」という問いかけを受けることがあります。その時に答えるのが「車の運転をしたい。目的もなく、走りたい」です。でも、実際、これだけは無理だと私の中の夢にすぎませんでした。夢では何度か見たことはありましたけどね(笑い)。
 しかし、友人から「運転できるんだけど、行ってみない?」という話を受け、「なにを冗談言ってるの?」と最初は笑いで流していたのですが、よくよく話を聞けば実際に夢を叶えてくれるツアーがあるではないですか。私は後のことも考えぬまま、その話に飛びついてしまいました。

「その夢叶えましょう」:
 この企画が始まったのは、旅行会社・クラブツーリズムの中の視覚障害者の旅行をサポートする「ブライユの家」に参加していたある方の「車を運転したい」との一声だったそうです。そして、主催社とその方とで話し合い、感覚と想像力などの研究を重ね、この体験ツアーが実現しました。

1日目:
 今年で3回目となる「運転体験」は茨城県の茨城県西教習場で行われました。1日目は、朝9時半に上野出発。お天気は空も空気も最高の秋晴れでした。バスで栃木県にある自動車メーカーの本田、「ツインリンクもてぎ」の敷地内で昼食の後、ハローウッズで、小奈良、椚、桧、杉の木肌体験などをし、そこで発見された縄文土器を見せていただきました。ここでは家族キャンプが多く、夏休みは30泊31日の宿泊をする家族もいるそうです。
 その後アクティブセーフティートレーニングパークにて、赤の可愛いスポーツカー・S2000の助手席に乗せてもらって、カーレースの遠心力、横滑り(ドリフト)、足払い(タイルの上の板を急ブレーキをかけてタイヤで跳ね除けること)などの体験。横滑り&急ブレーキ、足払いは非常に怖くて、町では1発で命を取られることを教えてもらいました。このトレーニングパークは車の安全をもっと知ってもらうための施設だそうです。家族連れで来て、マイカーで体験されている方たちもいましたよ。次はオートレースコレクションホールへ。ここではレーシングカーやオートバイが展示されており、みんなで写真を撮ったりして、楽しみました。
 車は急には止まれない、命を守る安全第1は「シートベルト着用」だと改めて勉強させられた1日でした。

二日目:
 いよいよ運転体験できる日がやってきました。昨日だけでも良い体験をさせてもらい、満足の1日でしたが、「今日はいよいよ夢にまで見た運転ができる」と、朝からどきどきモードで茨城県西教習所へ。今日も朝から真っ青な空でした。
 午前は2トントラックの運転席に乗り、エンジンをかけてアクセルを目いっぱい踏ませてもらいました。サイドブレーキはかかっており、動きはしませんでしたが、エンジンが体に響き、今にも動きそうで怖かったです。
 そして、待ちに待った、私たちが実際に運転する車が目の前に登場。4グループに分かれて午前2回、午後は1回の運転です。私はグループ4の4番目。待っている時間が長く感じて子供みたいに落ち着かず、気持ちがうずうずしていました(笑い)。その間は待合室でみんなとお喋りし、去年体験された方の話も聴かせていただきました。そして、車が、いやいや、順番が回ってきました。最初は運転席に座り、キーの場所を確認。次に右足でアクセルとブレーキの踏み方と場所確認。3番目にギアの入れ方を教えてもらい、最後はサイドブレーキのかけかたと外し方を教えてもらいました。ハンドルは右手が3時、左手は9時の角度で持ち、右カーブは9時から12時を通って、右手と左手を持ち替え、3時へ。左カーブは3時から12時を通って、また左手と右手を持ち替え、9時へ。最初はどきどきしていたのもあり、説明が飲み込めず、発進する前に2、3回練習させてもらいました。これが分かってないと事故に繋がるんですものね。「事故が起きない限り、この企画は来年も実行します」と聞いていたので、私で終わりにするのはだめだと、いざエンジンをかけた時、気持ちが引き締まりました。さあ、サイドブレーキを外していよいよ出発です。助手席に教習者が乗り、補助ハンドルを取ってくれました。1周目は外周をはしり、2周目はS字カーブと坂の上り下り、そして坂道を下ればいったん停車して、踏切横断。3週目はなんと車庫入れ。これもやってみたいとは思っていたけど、これこそぜったい無理だと諦めていたのに、びっくり。感動でした。そして、思い残すことがないようにとの教習車の言葉に甘えて、直線コースをアクセルいっぱい踏み込み、時速70キロで走り運転体験終了です。普段の後部座席で感じるスピードと実際に運転席で感じるスピードとは感覚が違い、少し怖かったです。
 最後の最後に一人ずつバイクの後ろに乗せていただき、思いっきり茨城の風を感じさせてもらいました。ジェットコースターの苦手な私ですが、怖さも忘れるぐらいすごく気持ちよかったー。
 そして、一人ずつ修了証もいただきましたよ。そこには「諦めがない限り、この夢は叶い続けます」と書かれていました。ほんと、心残りのない、満足した二日間。最初はいろいろ迷いがありましたが、参加して良かったと心の底から感じた旅でした。「この企画、来年も」とはおっしゃってはいませんでしたが、「事故もなく、無事終わったので、次回も考えています」と主催社さんの言葉。これを読まれたみなさん、よければ一度この夢を叶えてみませんか?

◯図書館からの報告

 音訳ボランティアの方が3名、日本盲人社会福祉施設協議会と鉄道弘済会・日本盲人福祉委員会から表彰されました。また、点訳ボランティアの方1名も、日本盲人社会福祉施設協議会から表彰されました。受賞者からのコメントをいただきました。4人の皆様、おめでとうございます。そしてこれからもよろしくお願いいたします。

いずみの会 19期 S.K

 この度、弘済会より長年の録音図書奉仕活動に対して感謝状を頂きました。私にとって音訳は生活の一部となり、充実した日々をおくることができ感謝しています。藤井邦夫の「半兵衛シリーズ」他、主に時代小説の図書を製作してきましたが、自分の好きな分野で評価されたことを大変嬉しく思います。これもひとえに諸先輩がた、デイジーのメンバー、校正してくださる方々のお蔭です。今回の受賞を励みにマイペースを維持しつつ、これからも聞きやすい図書の製作に努めたいと思っております。ありがとうございました。

いずみの会 22期 A.Y

 あけましておめでとうございます。
 昨年日本盲人会連合から表彰されたことを機に一言をと依頼されました。受賞を知り「実績のない私になぜ?」と とても驚きました。読むことが好きだからというだけでこのボランティアに取り組みましたが、その難しさにくじけそうになりながら、先輩はじめ共に活動する皆さんに励まされ、ここまで続けることができました。
 私が取り組んでいる図書に今井絵美子さんのシリーズが2作あります。「照降町自身番書役日誌」と「便り屋お葉日月抄」で、どちらも江戸情緒たっぷりの下町人情話です。機会がありましたら是非一度お聞き下さい。
 これからも“わかる読み”をめざして音訳に励んでいこうと思っています。

いずみの会 32期 K.I

 新年明けまして おめでとうございます。
 このたび鉄道弘済会・日本盲人福祉委員会様より奨励賞をいただきました。私にとってこんな晴がましいことは生涯に一度のことです。心よりお礼申し上げます。
 録音図書を作成するたびに自分の無知を実感します。それは幼い頃にさかのぼります。父が晩酌の肴のように酔うと私に新聞記事を読めと指図します。私はしぶしぶ読み出します。途中読めない漢字がでてきます。止まると父がどんな字や?と聞きます。私は女が3つと答えます。父は「女3つやったら かしましいと読むんや」と言います。そこで私はその文章をまた読み進みます。かしましどうり・・・父と母が首をかしげます。かしましどうり?新聞を私からうばい父は声をあげて笑い出します。
 「かしましどうりちゃう姦通や」それは姦通罪について記事だったのです。あの時の両親の笑いえらいとこを読ませたという照れ。あれが私の音訳?のスタートだったのではと思います。大人になってもあまり進歩することもなく続けてこれたのは温かくはげましてくださる先生・職員さん・先輩・仲間。あたたかくはげましてはくれないけれど、家族のおかげです。そして録音図書を読んでくださる皆さまのおかげです。
 皆様のご健康をお祈り申し上げます。これからも よろしくお願します。 

いづみの会 M.T

 平成22年に鉄道弘済会より朗読分野で西日本地区での表彰を受け、感謝状を頂戴致しました。身にあまる光栄と感じております。
 十数年の間には数多くの図書を製作してきました。他にも現在シリーズもの「居眠り磐音 江戸双紙」はすでに40冊になりました。これは偏に利用者の皆様方が読んで 下さるからこそ続けられていると思っています。まだまだ読書力は未熟で、納得出来ているわけではありません。利用者の方がどの様な思いで聴いて下さっているか、楽しんで下さっているのかと不安はあります。ご感想を頂く事もあって、それは私にとって大変な励みになっています。本選びも利用者の方がどんなものを望んでおられるかを考えますが、自身の好みも入れてしまい反省する事もあります。体調の優れない時はいい読みは出来ません。日々の自己管理が大切です。
 今後も聴き取り易い図書の製作に努力し一人でも多くの方に読んで頂けたらと思っています。

ひかりの会 M.N

 私は会の為になる様な点訳は何もしていないので、お断りしたのですが、王田さんの「順番ですから」の言葉に甘え「それでは」とお受けしました。 手打ちからパソコン点訳に変わり、ルールも変わり、その度について行けないと思いながら今日まで来ました。友達もできて点訳の事やそれ以外の事も勉強させてもらいました。そのおかげで楽しく、足を引っ張りながら(引っ張ってすみません)でも続けて来られました。 これも会の雰囲気の良さだと思います。点字図書館の引っ越しと共に岩井館長をお迎えして、ひかりの会の役割も大きくなりました。これからはなるべく足を引っ張らないように頑張りますので今後もよろしくお願いします。
 ありがとうございました。

話題提供 10月からの活動報告

◯録音ボランティア養成講座が終了

 10月に録音ボランティア養成講座が終了しました。今年度は6名が卒業。一人一人が一つの作品を完成させました。利用者の方にはまもなく声を聴いていただくことになるかとおもいます。楽しみにお待ちください。

◯音訳・録音ボランティア養成講習会を開始

 10月から音訳・点訳のボランティア養成講習会が開始されました。音訳11名、点訳8名と少し少ない人数ですが、充実した講習を受けて頑張っています。利用者の方によりよい支援ができるボランティアになっていただければと思います。まだまだ講習会は続きます。皆様よろしくお願いいたします。

◯パソコンを寄贈していただきました

 オージス総研様よりパソコンの寄贈を受けました。「はじまるくん」というこの活動は障がい者の方たちの就労支援とIT支援を目指す社会貢献活動です。企業で利用されていたものをリフレッシュしたものですが、とてもきれいでWINDOWS7にワード・エクセルも入った優れものです。パソコンはノートパソコンを15台。他にマウスやディスフレイ等もいただきました。これらはボランティアの講習会や視覚障がい者のパソコン訓練等で利用をしていく予定です。オージス総研様、本当にありがとうございました。大事に利用させていただきます。

◯いずみの会による懇親会が開催されました。

 10月31日にボランティア主催による懇親会が開催されました。いずみの会代表、岩井館長の挨拶からスタートしました。続いて鉄道弘済会、日本盲人社会福祉施設協議会からボランティア表彰がありました。
 その後は初めての試みでしたが、対面朗読の利用者の方も参加し、桂福点さんの講演と落語が行われました。70名ほどの参加者が大いに歌って、笑って、そして楽しい時間を過ごすことができました。職員もご招待いただき、いずみの会の皆様ありがとうございました。

◯バリアフリー映画上映会を行いました。

 センターとして初めてのイベントで参加者がどれだけ集まるかと不安でした、スタッフ合わせて50名程が、「博士の愛した数式」を楽しみました。バリアフリー映画は初めてという方も多くいらっしゃり、映画の楽しみを再発見していただけたようでした。
 1月からは交流サロンということで、映画や機器の紹介等実施していく予定です。是非ご参加ください。交流サロンのお知らせは図書館からのお知らせをご覧下さい。

図書館サービス利用についてお知らせ

◯図書貸出の際のお願い

 貸出希望の場合は、本の題名・著者名等をなるべく担当者にお伝え下さい。読みたい本がわからない場合は、ジャンル(例えば歴史もの、推理物、エッセイ等)をお伝え下さいますようお願い致します。なお、図書館では皆様にお貸しした本の情報をまとめることは、プライバシーの観点からも実施しておりません。可能な範囲で以前の貸し出し情報を確認いたしますが、ご希望に添えない場合もございますのでご了承ください。

○貸出図書破損等について

 最近、貸し出しをした図書の破損(CDの傷、ケースの一部破損)が返却の際に見つかることがございます。皆様には十分注意をしてご利用頂いていると思いますが、後に利用される方が使いやすいように、今後ともご協力をお願い致します。通常ご利用いただく範囲での破損等については問題ございませんが、紛失等については実費弁償をしていただく場合がございますのでご了承ください。

○プライベートサービスについて

 以下のプライベートサービスを実施しております。是非ご利用ください。

・プライベート点訳・音訳
 ご希望の書籍、書類、説明書等を点訳、音訳いたします。内容によってはお受けできない場合もございますので、まずはお電話にてお問い合わせ下さい。データは必要に応じて、各種メディアにコピー・点字印刷いたします。

・プライベート点字打ち出し
 ご希望の点字データを印刷致します。なお、多くの方々にご利用いただく為、一人で多くの印刷を希望される場合はお時間を頂く事がございますので、あらかじめご了承下さい。
 点字印刷代 1ページ5円 ファイルが必要な方は1冊300円

・図書データのメディアへのコピー
 必要な図書データを各種メディアにコピーいたします。コピー希望の方はメディアをお持ち下さい。SDカード、USBメモリへのデータコピーもいたします。SDカード、USBメモリは空の状態でお持ち下さい。
 なお、メディアをお持ちでない方は、CD 1枚80円、カセット1本95円でご用意いたします。

・対面朗読(一部代筆含む)
 ご希望の書籍、書類、説明書を代読・代筆いたします。内容によってはお受けできない場合もございますので、まずはお電話にてお問い合わせ下さい。音訳中は各種メディアに録音をしていただくことが可能です。録音機器はカセットテープレコーダーを設置していますが、そのほかはご準備ください。なお、貸出サービスや各種お問い合わせを含む、図書館内全ての利用時間は、火曜日~土曜日の午前9時半から午後5時までとなっております。

図書館に来館される方へ

堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センターの職員体制について

 職員、アルバイトを含め全員で15名です。点字図書館7名。聴覚障害者情報提供施設7名と、全体の事務を取り仕切る1名です。
 カウンター前は、聴覚障害者施設職員の机です。点字図書館職員の机は事務所奥になります。聴覚障害者施設の職員も同じセンターの職員ですので直接点字図書館の職員に声が届かない場合はお近くの職員へお尋ねください。また、カウンターでお声をかけられる場合は、例えば「図書館利用の○○」とお願いいたします。また、聴覚施設の職員の中には耳が不自由な職員もおりますので声をかけて頂いても気づかない事がございます。ご理解・ご協力をお願いいたします。

駐車場の使用について

 駐車券をカウンターにお持ちください。身体障害者手帳をお持ちの方、ボラティア活動をしていただいた方は無料になります。なるべく、点字図書館職員が無料手続きを致しますが、不在の場合は聴覚障害者施設職員が致しますので駐車券をお渡しください。

食事場所について

 センター周辺は飲食店があまり多くありません。プラザの近くでは、5分ほどのところにローソンが1軒とスーパーやパン屋さん等が有ります。お昼を挟まれる方は持参された方が良いかと思います。センターの1階にカフェがございます。お昼のランチ600円です。作業所の方が作ったパンも販売をしております。
 飲食できるスペースは4階エレベーター前のホールにございます。簡単な打ち合わせ等にもご利用いただけますのでご活用ください。

アクセスについて

南海バス 堺東駅前バス乗り場より
※下記のどの路線からでもお越しいただけます。
★一番近いバス停へ行きます
2 系統(宮山台経由 泉ヶ丘行: 10 番のりば)
「旭ヶ丘」バス停下車 約 10 m
★少し歩きます
1 系統(西区役所前行: 9 番のりば)
「塩穴通」バス停下車 東へ約500m(徒歩7分)
3 系統(東山車庫前行: 3 番のりば)
「塩穴通」バス停下車 東へ約500m(徒歩7分)

発行 堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター
発行人 岩井和彦
住所 〒590-0808 堺市堺区旭ヶ丘中町4丁3番1号
開館時間 9:00~17:30 休館日 日曜日・月曜日・祝祭日・年末年始
電話 代表 072-275-5024
貸し出し専用電話 072-275-5027
FAX 072-243-2222
E-mail 代表 tento@sakai-kfp.info
貸し出し専用 mailtosho@sakai-kfp.info